ここにしかない、いのちの風景──庄内という思想から見える未来
- Takahito Matsuda
- 4月17日
- 読了時間: 2分

はじめに
速く、正しく、効率よく。いつの間にか、そんな言葉ばかりが日常になっていました。
けれど、ふと立ち止まったとき、私たちは本当にそれを望んでいたのだろうか?そんな問いが、心の奥から聞こえてくることがあります。
その問いに、まっすぐに向き合っている場所があります。それが、山形・庄内という土地です。
風とともに暮らす人たち
庄内には、自然と争わずに生きる人たちがいます。
風の音を聞き、空の色に今日の調子を教わり、雨の日は、静かに家の中で手を動かす。
便利とは言えないかもしれません。でも、そこにはゆるぎない強さがあります。
自然に生かされていることを忘れず、命のリズムに寄り添って生きる暮らし。そこには、人と自然をつなぐ愛があります。
本物が残る理由
速くて安いものがあふれる時代。けれど、本当に心に残るものは、人の手で丁寧に作られたものです。
庄内には、今も手仕事が息づいています。土のにおいがする野菜、使うほどに味わいが増す器、言葉にしなくても伝わる笑顔。
それは派手ではないけれど、誰かのために手をかけるという、あたたかい気持ちが込められています。
その積み重ねが、地域を、そして人と人とのつながりを育んでいます。
すべてのいのちへのまなざし
庄内の暮らしには、あらゆるいのちを大切にする姿勢があります。
いただくものには「ありがとう」を、関わる人には「おつかれさま」を、そっと手渡すように交わす言葉。
それは、人間だけでなく、自然、道具、季節への愛でもあります。
暮らしの中にある小さなやりとりが、すべてのいのちに祝福を送っているように感じます。
マッタ創作所としてできること
私たちマッタ創作所は、そんな庄内の風景を映像と言葉で記録し、伝えています。
誰かにとってそれが、忘れていた感覚を思い出すきっかけになれば。ほんの少しでも、「生きるっていいな」と感じる瞬間につながれば。
そう願いながら、カメラを向け、言葉を選び、ひとつひとつの作品を紡いでいます。
おわりに
本物だけが残る時代。庄内には、まだ“本物”があります。
それは、急がずとも、人と人がつながり、自然と共にいのちを営む、静かで力強い日々。
その日々の中には、目に見えないたくさんの愛が詰まっています。
大切なことは、もうすでに、私たちのすぐそばにあるのかもしれません。
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