top of page

第一章|光すら存在しなかった宇宙

  • 執筆者の写真: Takahito Matsuda
    Takahito Matsuda
  • 8月17日
  • 読了時間: 2分

まだ地球も、太陽も、月も、星々も存在していなかった頃。


今、私たちが夜空を見上げれば、そこには無数の星が輝いています。


けれど、この物語の始まりには、その光さえありません。


大宇宙は、果てがあるのかさえ分からないほど深い、漆黒の闇に包まれていました。


そこには星もなければ、海も大地もありません。


私たちが「世界」と呼べるようなものは、まだ何一つ形になっていなかったのです。


しかし、その闇は完全な「無」ではありませんでした。


目には見えなくても、その中には無数のエネルギーが存在していました。


あるものは、深い闇の中をゆっくりと漂う。


あるものは、稲妻のような速さで宇宙を駆け抜ける。


創造する力。


破壊する力。


静める力。


動かす力。


それぞれがまったく異なる性質を持ちながら、創造されては破壊され、破壊されては再び生まれていく。


そんな営みが、時間という概念さえ曖昧な大宇宙の中で、果てしなく繰り返されていました。


けれど、そこには一つ、とても不思議なことがありました。


無数のエネルギーが存在しているにもかかわらず、それぞれのエネルギーは、


「この宇宙には、自分しか存在していない」


そう思っていたのです。


なぜなら、まだ宇宙には互いの存在を照らす「光」がなかったから。


自分自身の存在を感じることはできる。


自分の内側にある力も分かる。


けれど、自分以外の存在を見ることはできない。


すぐ隣に別のエネルギーが存在していたとしても、そのことに気づく術がありませんでした。


だから、誰もが同じように思っていました。


自分は、この広大な宇宙でたった一人なのだ、と。


無数の存在がいるにもかかわらず、誰も互いを知らない。


誰も出会わない。


誰も語りかけない。


それは、途方もなく静かで、孤独な宇宙でした。


けれど、その永遠にも思える静寂の中で。


やがて、一つのエネルギーの中に、それまで宇宙のどこにも存在しなかった「問い」が生まれます。


「自分以外にも、誰かいるのだろうか?」


この小さな問いが、


やがて宇宙に初めて光を生み、


「神」と呼ばれる存在を誕生させ、


そして遠い未来、


私たち人間が生きる地球へとつながっていくことになります。


宇宙の歴史を動かしたものは、巨大な力ではありませんでした。


始まりは、たった一つの問いだったのです。


次章

第二章|宇宙で最初に生まれた「問い」

コメント


bottom of page