絵を描くことが、心を整えるということ
- Takahito Matsuda
- 3月23日
- 読了時間: 2分

抽象画とわたしの関係
言葉にできない想いを、絵にする
感情には形がない。嬉しいも、悲しいも、時には説明がつかない。それでも、どうしようもなく何かを吐き出したいとき、私は絵を描く。
それは風景でも、人でもなく、線と色だけでできた抽象画。形のない気持ちに、形のない絵を重ねる。
誰かに見せるためじゃなく、自分の中に溜まったものを外に出すために描いている。描いていると、少しだけ呼吸が深くなる。自分の輪郭が、ゆっくりと戻ってくるような感覚になる。
心が乱れた時期に、救ってくれたもの
離婚や人生の転機を経験したとき、言葉では処理できない感情がたくさんあった。悔しさ、不安、寂しさ、自由。全部が混ざっていて、整理なんてできなかった。
でも、筆を持って線を引くたびに、ぐちゃぐちゃだった感情が少しずつ外に出ていく気がした。うまく描こうとしなくていい。そこに“意味”がなくてもいい。ただ、描くことで私は生き直していたんだと思う。
自然と、余白と、抽象と
今、私は自然に触れることが好きだ。風の音、葉の揺れ、空の色。自然は決して完璧ではない。けれど、そこにあるだけで整っている。
私の描く抽象画も、そんな風でありたいと思う。完璧じゃなくていい。「何かに見える」必要もない。ただ、そこにあって、見る人それぞれの心と静かにつながれたらいい。
描くことは、自分を信じ直すこと
抽象画は、心の地図みたいなものだと思っている。誰にも読めなくてもいい。でも自分だけは、それを描くたびに思い出せる。「私はここにいる」っていう感覚を。
描くことは、整えること。整えることは、自分をもう一度信じること。今日もまた、キャンバスに向かって、静かに線を引いてみる。
おわりに
誰にも見せない絵があってもいい。うまく描けない日があってもいい。でももしあなたの心の中にも、言葉にできない想いがあるなら、一度、描いてみてほしい。
それはきっと、整えるための最初の一歩になるから。
Comentaris