第一章|光すら存在しなかった宇宙

まだ地球も、太陽も、月も、星々も存在していなかった頃。
今、私たちが夜空を見上げれば、そこには無数の星が輝いています。
けれど、この物語の始まりには、その光さえありません。
大宇宙は、果てがあるのかさえ分からないほど深い、漆黒の闇に包まれていました。
そこには星もなければ、海も大地もありません。
私たちが「世界」と呼べるようなものは、まだ何一つ形になっていなかったのです。
しかし、その闇は完全な「無」ではありませんでした。
目には見えなくても、その中には無数のエネルギーが存在していました。
あるものは、深い闇の中をゆっくりと漂う。
あるものは、稲妻のような速さで宇宙を駆け抜ける。
創造する力。
破壊する力。
静める力。
動かす力。
それぞれがまったく異なる性質を持ちながら、創造されては破壊され、破壊されては再び生まれていく。
そんな営みが、時間という概念さえ曖昧な大宇宙の中で、果てしなく繰り返されていました。
けれど、そこには一つ、とても不思議なことがありました。
無数のエネルギーが存在しているにもかかわらず、それぞれのエネルギーは、
「この宇宙には、自分しか存在していない」
そう思っていたのです。
なぜなら、まだ宇宙には互いの存在を照らす「光」がなかったから。
自分自身の存在を感じることはできる。
自分の内側にある力も分かる。
けれど、自分以外の存在を見ることはできない。
すぐ隣に別のエネルギーが存在していたとしても、そのことに気づく術がありませんでした。
だから、誰もが同じように思っていました。
自分は、この広大な宇宙でたった一人なのだ、と。
無数の存在がいるにもかかわらず、誰も互いを知らない。
誰も出会わない。
誰も語りかけない。
それは、途方もなく静かで、孤独な宇宙でした。
けれど、その永遠にも思える静寂の中で。
やがて、一つのエネルギーの中に、それまで宇宙のどこにも存在しなかった「問い」が生まれます。
「自分以外にも、誰かいるのだろうか?」
この小さな問いが、
やがて宇宙に初めて光を生み、
「神」と呼ばれる存在を誕生させ、
そして遠い未来、
私たち人間が生きる地球へとつながっていくことになります。
宇宙の歴史を動かしたものは、巨大な力ではありませんでした。
始まりは、たった一つの問いだったのです。
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第二章|宇宙で最初に生まれた「問い」




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