ドルの終わりと日本の再出発

—— トランプの関税戦争から見える「お金の時代の終焉」

アメリカの“関税戦争”が意味するもの

トランプ氏が再び大統領候補として注目を集める中、その政策の中心にあるのが「関税戦争」です。特に中国を名指しし、「話し合いの余地はない」と明言した姿勢は、単なる貿易摩擦ではなく、覇権の主導権争いとして位置づけられています。

一方で、日本や他の同盟国に対しては「個別相談」によって柔軟に対応する姿勢を見せており、現時点では日本に対する評価は比較的前向きなようです。日本が早々に使節団を送ったことも、アメリカ側にとっては「やる気のある国」として映っているのでしょう。

しかし、中国との“メンツをかけた戦い”が続けば、共倒れのシナリオも十分にあり得ます。

関税戦争の影響は日本にも及びますが、日本の製造業にはまだ大きな潜在力があります。これまで多くの企業が「政府依存」「上意下達」の“お殿様経営”に甘んじていたことが競争力低下の要因でした。

しかし、ここにきて世代交代が進み、現場から改革の兆しが見え始めています。おかしな経営層が一掃されれば、十分に巻き返せる土台がある。今こそ、本来の日本の技術力と現場力が試されるときです。

世界はこれまで、アメリカが製品を「買いまくる」ことで回っていました。つまり、アメリカは「世界最大の消費国」であり、基軸通貨であるドルの信頼性を支える存在でもあったのです。

しかし、「もう買わない」「関税をかける」と言い出した瞬間、それは**ドルの責任からの“降板宣言”**とも取れます。ドル建てで回っている世界の金融商品、保険、国債…そのすべてが揺らぎ始めます。

結果として影響を最も強く受けるのは、実体経済以上に金融経済です。ドルを「貸している側」にとっては、紙切れしか戻らない時代が来るかもしれません。

このような混乱の中でも、ヨーロッパはなおもウクライナへの関与に固執しています。未来が見えないこの状況に対して、イーロン・マスク氏も「ヨーロッパには大きな悲劇が起こる」と発言しており、不穏な空気が漂います。

さらに驚いたのは、日本がNATOへの参加意向を示したこと。これは日本が長らく守ってきた「中立的バランス」の崩壊を意味し、日本そのものが戦略的リスクにさらされることになりかねません。

経済が混乱し、金融が揺らぎ、世界が不安定さを増す今。最も大切なのは、「人々の意識の変化」です。

ニーサで損をした人、投資に失望した人、自分の働き方に疑問を感じ始めた人…そうした人々が「お金中心の社会」に対して目を覚まし始めています。

これはただの経済変動ではなく、文明の価値観そのものが転換していく予兆なのかもしれません。

この時代の混乱を乗り越えるには、大きな犠牲が伴うかもしれません。けれど、人々の意識が目覚め、古い価値観から脱却しようとする限り、新しい時代は必ずやってきます。

日本にはまだ希望があります。潜在力があり、再出発できるだけの土壌があります。

できるだけ悲惨さを少なく、新しい時代へと移行できることを願ってやみません。