人類滅亡の現実的シナリオを構造的に整理する
- Takahito Matsuda
- 17 時間前
- 読了時間: 3分

人類滅亡は、空想や陰謀論の話ではない。
科学界でも「存在リスク(Existential Risk)」として研究されている分野であり、オックスフォード大学などでも体系的に分析されている。
重要なのは、「何が起きれば人類は滅亡するのか」を感情ではなく構造で考えることだ。
まず前提を整理する。
人類が滅亡するとは、「文明が崩壊する」こととは異なる。
文明崩壊は歴史上何度も起きているが、人類そのものは存続してきた。
滅亡とは、**種としての存続可能性が失われる状態**を指す。
第一原理から考えると、人類滅亡には3つの条件のいずれかが必要になる。
1. 生存環境が地球規模で回復不能になる
2. 人類の再生産能力が長期的に失われる
3. 社会機能が崩壊し、復旧不能な連鎖が起きる
この条件に照らして、現実的なシナリオを分類する。
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① 物理的破壊型
代表例は、核戦争、巨大隕石衝突、超巨大火山噴火。
核戦争の場合、問題は爆発そのものではなく「核の冬」による農業崩壊である。
食料供給が数年停止すれば、数十億人規模の餓死が発生する可能性がある。
巨大隕石は低確率だが、高エネルギー衝突は気候を激変させる。
ただし現在は観測体制が整備されており、完全に無防備ではない。
超巨大火山も同様に、日射量低下が本質的なリスクとなる。
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② 生物学的リスク
高致死率かつ高感染力の病原体は、理論上もっとも現実的な脅威の一つである。
自然発生よりも、研究事故や悪用の方が懸念されている。
医療崩壊と社会混乱が同時に起きれば、回復不能な連鎖に入る可能性がある。
また、抗菌薬耐性の拡大は「静かな崩壊」を引き起こす。
医療の基盤が失われれば、出産・手術・感染症治療が成立しなくなる。
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③ 技術的リスク
高度AIの暴走というより、**制御不能な意思決定システム化**が問題となる。
金融、電力、軍事、物流などが自動化された状態で誤作動や悪用が起きると、社会インフラは短期間で麻痺する。
複数のシステムが同時に停止すれば、連鎖崩壊が始まる。
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④ 心理社会的崩壊
出生率の長期低下、極端な分断、不信の拡大。
これ自体は即滅亡には直結しない。
しかし、社会が弱体化した状態で大規模災害が発生すると、回復力が著しく低下する。
滅亡は「単独原因」ではなく、「複合リスク」が臨界点を超えたときに起きる可能性が高い。
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時間軸での整理
短期:核誤作動、パンデミック、局地戦拡大
中期:気候変動と資源問題の複合化
長期:技術リスクの累積、宇宙規模災害
現時点で「滅亡が確定している」という科学的根拠はない。
しかし「ゼロリスクでもない」というのも事実である。
結論として、人類滅亡は確定未来ではないが、
複数のリスクが相互作用すれば現実的可能性を持つ。
重要なのは恐怖ではなく、構造理解である。
リスクを知ることは、回避の第一歩になる。




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