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全人類は、あなただった ― 宇宙という名の「卵」の物語 ―


もし、あなたが死んだあと、神と名乗る存在と対話するとしたら。

そこで知らされる真実は、「死後の世界」についてではなく、あなた自身と、この宇宙の正体かもしれません。


死は、終わりではなかった

物語の主人公である「あなた」は、ごく普通の交通事故で命を落とします。

突然の死。残されたのは、妻と二人の子供。

病院で泣き崩れる家族を、あなたはただ見つめることしかできません。声をかけることも、触れることもできない。

やがて、気づきます。自分は死んだはずなのに、消えてはいないということに。

彷徨うあなたの前に、「私」と名乗る存在が現れます。そこは、天国でも地獄でもない、何もない空間でした。


天国も地獄も存在しない理由

あなたは尋ねます。ここは天国なのか、地獄なのか。

しかし「私」は静かに答えます。「どちらも存在しない」

死は裁きではなく、終わりでもありません。

あなたはこれから、何度も生まれ変わるのだと告げられます。

生まれ変わるたび、これまでの記憶は失われます。けれど、経験だけはすべて、魂に残っていく。

人生の意味は、成功や評価ではありません。

経験すること、そのものそれが唯一の目的だと語られます。


魂は、想像以上に巨大だった

「私」は、あなたの魂について説明します。

あなたの魂は、想像もできないほど巨大な存在だと。

今の人生は、その巨大な魂が、コップの水に指先を少し入れて、温度を確かめているようなものにすぎません。

ほんの一部しか浸していなくても、引き抜けば、その情報はすべて魂の全体に伝わる。

どんな人生も、無駄にはならない理由が、そこにありました。


時間も、他人も、幻想だった

さらに、「私」は語ります。

神にとって、過去・現在・未来という時間は存在しない。

だから、あなたは次の人生で中世に生まれることもあれば、未来に生まれることもある。

そして、あなたはすでに多くの「別の自分」と出会ってきました。

ただ、それぞれが自分の人生の記憶しか持たないため、互いを他人だと思い込んでいたのです。

時間も、他人も、実は幻想でした。

全人類は、あなただった

ここで、最も衝撃的な真実が告げられます。

「この宇宙にいるのは、私とあなたの二人だけだ」

過去・現在・未来に存在するすべての人類は、あなた一人の魂の生まれ変わり。

あなたの妻も、子供も、歴史上の偉人も、独裁者も、その犠牲になった人々も、すべて、あなた自身でした。

だから、誰かを傷つけることは、自分を傷つけること。

誰かに親切にすることは、自分自身への親切。

この世界のあらゆる喜びと悲しみは、最終的にすべて、あなたが体験するために存在していたのです。


宇宙は、あなたを育てる「卵」

では、なぜこれほど多くの人生を経験しなければならないのか。

それは、あなたがまだ神として生まれる前の存在だから。

今のあなたは、神になる前の「胎児」。

すべての人生を経験し、完全な理解に至ったとき、あなたは神として生まれます。

そのために用意されたのが、この宇宙でした。

宇宙は、あなたという神が生まれるための「卵」

すべてを語り終えた「私」は、静かに言います。

「さあ、次の人生へ行こう」

物語は、終わりではなく、続いていきます。


この物語が残すもの

この物語は、何かを信じさせるためのものではありません。

ただ、目の前の世界の見え方を、少しだけ変えるための物語です。

もし、今日出会った誰かを、ほんの少し大切にできたなら。

その瞬間、この「卵」は、確かに意味を持ち始めています。



参照・思想的インスピレーションエッグ(卵)アンディ・ウィアー 短編小説※本記事は原作の思想・構造をもとにした要約・解説です

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